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2019.10.1 火
例えば人種差別の問題というものがあるとする。ほとんどの場合よくよく考えると人種というものは非常に分かりづらいもので、おそらく人種を定義できる人間はいないと思われる。私の友人にメキシコ生まれで小学生の途中から日本にやってきたハーフの友人がいる。彼は半分メキシコ人ではあるが、彼の血はメキシコを植民地化したスペイン人である。スペインの血でメキシコに生を受け半分メキシコ、半分日本で育っている。日常的に彼が何人であるのかを意識したことは、少なくとも私はない。外国人の犯罪について彼と話しているときも、私は彼を外国人だと思っていない。  同様にして私にはかつて韓国人の恋人がいた。彼女との共通言語はドイツ語だった。私は彼女とドイツ語を通して意思疎通をはかり、共通の友人はドイツ人や韓国人や日本人や、はたまた...
2019.7.27 土
貧富の差を語る前に我々が前提としなくてはならないのは、第一にその格差という状態を感情抜きに主観で見ようとする試みが必要であるということと、第二にその原因を突き止めようとしないこと及び誰かに罪を被せないこと。そして最後に貧富の差を生んでいるのは取りも直さず、こういった視座から我々のほとんど(殊にこのテキストを読んでいる階級のあなた)が生み出しているという事実を真摯に受け止めることであると私は思っている。つまり貧富の差が生まれるのは貧富の差という一つの社会的な発明であり、その発明によって豊かな社会を作っているのである。強いて言うなら我々は(少なくとも中産階級以上の人々は)そのような社会を作り上げている当事者であり、その当事者であることを踏まえて涙を流したり平等社会を叫んだりする者であることが大...
2019.5.26 日
One million join march against Brexit as Tories plan to oust May  約100万人以上の民衆がロンドン市内の中心部に集まりEU脱退に対する反対運動デモがありました。EUを脱退した方が経済的に優位であるという主張のメイ首相の思惑とは反対にEU脱退は政治的・経済的に完全に不利であるとする反対陣営が蜂起したという文脈になっている。当初EU脱退に賛成派だった人々の多くが寝返ったという結果でもある。つまりこのデモの中にはEU賛成派だった人々が多数いるということになる。とはいえ政治とはそもそもそういうものである。  フランス人がバスチーユ監獄を襲撃したときに彼等は民衆の力で権力をひっくり返したという気概とともに新しい政治のあり方の核のようなも...
2019.4.28 日
日本社会の稚拙さ誤解、呪術的且つ原始的で一人の人間、そして一つの技術というものを平気で破壊する悲惨な事実というものがあります。
2019.4.23 火
フリードリヒ・ニーチェ(一八四四~一九〇〇)──ドイツの哲学者。牧師の息子として生まれ、最初は文献学を研究したが、その後、独自の思想を発表するようになった。これまでの哲学のもっとも根本的な転覆者である。主著に『悲劇の誕生』『ツァラトゥストラかく語りき』『善悪の彼岸』『人間的なあまりに人間的な』『この人を見よ』『力への意志』など。 小阪修平. そうだったのか現代思想 ニーチェからフーコーまで (講談社+α文庫) (Japanese Edition) (Kindle の位置No.107-110). Kindle 版.  私個人としてはニーチェが嫌いです。読んでいてあまり気持ちのよい物書きではないし、正直言って彼の極端な上昇志向が好きになれませんでした。しかしながら彼の書いたことには現代にとって重...
2019.4.22 月
ものの考え方とその尺度というものがその時代その時代特有のものがやはりあって、そしてその時代その時代でその方法論に関して疑いなく信じられてきたといういうことが人間の歴史であり、それらのある種の集積みたいなものが我々の現在の生活そのものであるという風に考えてよいと思っています。意味不明な専門性と振り回しているという空振り理論や空振り学問ではなく、かなり我々の生活にコミットしているというのが哲学の歴史です。  大雑把にいってしまうと古代のギリシャ哲学からはじまり近代に至るまでの間、哲学というのはそれほど複雑奇っ怪なものではありませんでした。単純に残っている書物が少ないというのもあり、地域自体も豊かな土地、または豊かな時代に限定されていて非常にシンプル且つ直線的な捉え方である程度は理解できるといっ...
2019.4.21 日
時空という概念は想像しづらい概念ですが、アインシュタインが一般相対性理論と特殊相対性理論という論文を発表して以来世界を反転させてしまった概念がこの時空というものでした。あいていにいえば時間と距離は殆ど同じ概念であり時間の伸び縮はすなわち空間の伸び縮みに等しいということになります。ニュートン以来定数として固定されていたものは「時間」であり距離と速度が変数として機能し物体の移動を定式化できるという考え方でしたが、アインシュタインは速度が定数であり距離と時間が変数となるという新しい物理公式を考え出したということです。これを直感的に言い表したよい表現に、「夜という時間は地球の自転によって夜という位置に移動した状態である」というものがあります。夜は時間という概念ではなく、むしろ地球の位置という空間的...
2019.4.20 土
ハイデガーの名著「存在と時間」の中で「存在をめぐる狂人の争い」という言葉が出てきます。古来より哲学という文脈では「存在」について研究することは非常に困難であり、実際問題として現在も尚我々が見ているこの世界という存在を含めて何故存在しているのか、または本当に存在しているのか、あるいはそもそもその「存在」とは何を意味しているのかに全く決着がついていないということ全体の比喩としてハイデガーがギリシャ語から引用しているのがその言葉、つまり、「存在をめぐる狂人の争い」ということになります。あった/なかった、言った/言わないなどのようにそもそもそれらが存在したのかどうかという問題に対して歴史の中でもずいぶん長い間それを議題にしてきませんでした。ギリシャ時代からハイデガーまでその間の哲学は存在に対しての...